
わたしの日々は、真新しい景色を見て戸惑いを覚えたり、1日前に学んだことを踏み固めてさらに歩みを進めたり、継続的に行われていることを再現することで塗りつぶされている。そんな中わたしは馴染みの豆腐とさえ、新らしいつきあいを見出した。それは、カチンカチンに凍らせるところから始まる。木綿豆腐を買って帰ったら水切りもしない、パックからも出さない。そのまま冷凍庫へボン、「また会う日まで!」そして料理に使う日に「調子はどうだい?」自然解凍して、両手に挟んでむぎゅーっと水気をきり、下味となる調味料をジュワリ吸わせ片栗粉で封じてから多めの油で両面がきつね色になるまでカリカリに焼く。下味と片栗粉のおかげで、焼いただけの段階でも味がしっかりあって、すでに揚げ物を食べたかのような満足感。わたしは最近よく、ピーマンの細切りとこの豆腐をオイスターソースで炒めたものを食卓に出す。
豆腐とこんな風に向き合うまでは、高野豆腐がこんな位置付け(戻して下味をつけて揚げるように焼く)だった。高野豆腐を作る工程で豆腐は最初に水切りして凍らせられる。高野豆腐になる前の、このように凍らせた豆腐は「凍り豆腐」と呼ばれるらしい。凍り豆腐はポロポロに手で崩して挽肉のように使うこともできる。凍り豆腐といえば、以前凍らせたこんにゃく「凍りこんにゃく」で唐揚げを作ったことがあったな。
凍り豆腐とピーマンのオイスター炒め
材料
- 豆腐 1丁
- ガーリックパウダー 適量
- すりおろした生姜、またはジンジャーパウダー 適量
- 醤油 大さじ1
- 酒 大さじ2
- 片栗粉 適量
- 油 適量
- ピーマン(細切り) 3個
- 青唐辛子(輪切り) 2〜3本
- オイスターソース 大さじ1〜2
作り方
- 凍らせた豆腐を自然解凍する
- 豆腐を両手ではさんでしっかり絞る
- 豆腐を1センチほどの厚さに切り、ガーリックパウダー、生姜、醤油、酒につけ下味をつける
- 豆腐を少しだけ絞り、片栗粉を振り全体がうっすらカバーされるようにする
- 熱したフライパンに油を入れ、片栗粉でおおわれた豆腐の両面がカリカリきつね色になるまで焼く
- 豆腐を皿に取り置く
- フライパンに油を少量入れ、青唐辛子とピーマンを炒める
- 取り置いた豆腐をフライパンに戻し入れ、オイスターソースをからめて味付けする
このオイスター炒めは、細切れの高野豆腐を使って作った青椒肉絲に近い味。