ゼロからの、自家製紅茶キノコの始めかた



家で培養するようになってからというもの、毎日覗きこむ。私は一人暮らしだけど、マザー(酵母)が台所の隅でひっそり音をたてずに繁殖している間は、その存在をひしひしと強烈に感じて、それはまるで誰かと暮らしているようだ。「おはよう」「ただいま」「調子はどう」「元気そうね」私たちはそんな会話をして毎日過ごす。

 

「昆布茶」じゃないよ、紅茶キノコ

紅茶キノコは、外国ではコンブチャと呼ばれ今、ヘルスコンシャスな人々の間で愛飲されている。アメリカにいる私の友人たちも飲んでいる。例えばアメリカではオーガニックスーパーでペットボトルや瓶に入って売られていたり、ベジタリアンレストランのドリンクメニューにあったりする。(初めてその名を耳にしたとき、私の脳は「コンブチャ=昆布茶」と自動変換し、塩漬けされた桜の花のお茶のような味を思い浮かべていた。)日本では聞き慣れないドリンクでも実は、昭和49年に出版された「紅茶キノコ健康法」という本をきっかけに一時はブームになったようだ。本は瞬く間に一躍ベストセラーとなり、巻末の紅茶キノコの株分け申込書が出版社に殺到したという。日本中の台所で(一時期流行った自家製カスピ海ヨーグルトのように)紅茶キノコが育てられていたそう。(ちなみにうちの母は知らなかったけれど。)

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紅茶キノコって?

紅茶キノコは体に良い発酵飲料で、材料は甘いあま〜い紅茶。その甘い紅茶にマザー(酵母)を丁寧に迎え入れ、それがじわじわと仕事(発酵)を進めてくれるのをじっと待つ。液体に浮遊するその巨大なホタテのような、宇宙船のような、円盤のような、不思議な姿をした酵母(酢酸菌/微生物)は、紅茶のカフェインと砂糖をむしゃむしゃ食べ、酢酸とCO2(炭酸)を放出する。発酵が進むとやがて甘い紅茶は、さわやかな酸味のあるシュワっとバブリーな飲みものに変身する。乳酸菌や消化酵素やアミノ酸やポリフェノール(抗酸化物質)が含まれる発酵飲料、健康飲料、またの名を酵素ジュース。抗酸化作用があり、消化促進、血液浄化(デトックス)、免疫力アップなどの作用がある。
ポートランドの友人のキッチンに置かれたガラス瓶の中の液体に威厳にみちて浮遊するマザーを初めて見たとき、私は息をのんだ。—ナンダコレハ!なんて不思議な生命体なの!—- 友人はそんな私を見てからマザーに視線を移して静かに言った。「Isn’t it amazing(すごいでしょう)」
友人の紅茶キノコは、フルーティーな酸味と微かな甘みを含んだ炭酸で、とてもとても美味しかった。とても。市販のものとは比べものにならないくらい。そしてすぐに私は決心した。私も紅茶キノコを育てる、と。でも培養には株(マザー/酵母)が必要で、株分けしてくれる知り合いが日本にはいないし、おそらく日本ではスターターキットのように株を売っている場所も見つからないだろう。友人は市販のボトルから培養する方法を教えてくれた。

 

ゼロから始める紅茶キノコの培養方法

簡単です。相手(酵母)もまた生き物。季節や環境によって発酵や成長の進み具合も異なります。心地よければすくすく育つし、何かが足りないと成長が止まります。培養の流れとして理解しておくべきことは、シンプルに、①甘い紅茶を作り ②市販の紅茶キノコの液体(酵母予備軍)を入れ ③放置して ④甘い紅茶が酸味と微炭酸を帯びた液体になる、ということだけ。マザーが立派なホタテ!宇宙船!円盤!になるまで、その行程を何度も繰り返します。
準備するもの:市販の紅茶キノコ、ガラス瓶、紅茶の茶葉、ミネラルウォーター、砂糖、ペーパーナプキン&ゴム

 

ステップバイステップ

1. 市販の紅茶キノコを入手

2. 紅茶キノコを培養するガラス瓶を煮沸消毒、またはアルコール消毒する
*ガラス瓶は口が大きいものを選んでおくと、立派に育った巨大なマザーで紅茶キノコを作るときにマザーの出し入れが便利です
*かならず素材はガラス製のもので!

3. 水500mlを沸かし、無農薬の紅茶の茶葉(ティーバッグ1個)と、砂糖1/3カップで濃いめの甘い甘いブラックティーを淹れる
*紅茶は無農薬のものを選びます
*砂糖がマザーの食事になるので、きび砂糖でも白砂糖でも黒砂糖でも大丈夫で、最終的に出来上がる紅茶キノコには甘さがほとんど残りません

4.紅茶が冷めたらガラス瓶に入れ、市販の紅茶キノコの液体(特にボトルの下のほうに沈殿しているマザーのかけら)を紅茶と同じくらいの量(500ml程度)注いで全体をかき混ぜる

5.ペーパーナプキンでガラス瓶の口を覆い(通気性を確保し)輪ゴムで留める
*マザーも呼吸します

6.台所の隅に放置&観察&ときどき味見
*少しずつ表面に白い膜が張ってきます
*発酵の進み具合は、夏は数日から1週間程度、冬は1〜2週間ほど
*味見をするときは、清潔なスプーンを使用して雑菌が入らないように
*紅茶の味が薄くなり、代わりに酸味と炭酸が感じられるようになります

7.紅茶の味がしなくなったり甘さが感じられなくなった頃、半分ほど紅茶キノコの液体を残して新しい紅茶(新しいマザーの食事)を与えます
*紅茶キノコを作る過程はお酢を作るプロセスととても似ているため、発酵が進み過ぎるととても酸っぱくなりますが、捨てずにお酢としてドレッシングなどに使えます

8.マザー(酵母)が立派に育ったら、倍量の甘い紅茶と原液とマザーで紅茶キノコを繰り返し作っていきます
*出来上がった紅茶キノコは、ドリンク用に別のガラス瓶に移し密閉して冷蔵庫で保存します。enjoy!

 

もっと紅茶キノコ?

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4 thoughts on “ゼロからの、自家製紅茶キノコの始めかた

  1. ピンバック: 【続くダイエット】デトックス効果あり♡アメリカで大流行の「コンブチャ」とは
  2. 是非とも紅茶キノコの株?マザーが欲しいです

  3. >山中真由美さま
    紅茶キノコのご案内がある場合は、ブログの記事を通してお知らせいたしますね。
    どうぞよろしくお願いいたします。

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