柘榴紅茶キノコ

日に日に赤く染まってゆく木の葉の変化を見るように、このまま何もせず移り変わる景色を眺めていよう。頬にあたる風は冷たくも暖かくもないく心地良い。それに。この筏はなかなかおもしろい場所を漂流しているもの。どこへ辿り着くか分からないけれど、何も考えず、何もせず、ただ景色をひとりきりで眺めているのは、思ったほど退屈でもないし、time-consuming(時間を無駄に浪費するような)でもないと彼女は思った。たまには受け身でいることも良いことだ。ここはとても静かで落ち着いていて違和感もない。すべてを受け入れてくれる。たとえ彼女が夜中の1時まで起きていようと、万華鏡のように鮮やかな紅葉の森でなにもせずに目を閉じて昼寝ばかりしていようと、責められることなくむしろ「それはとても良い時間を過ごしたね」と静かに笑ってくれる。森のなかは子どもの頃に嗅いだ懐かしい甘い香りが漂い、彼女は鼻をくんくんさせて正体を突き止めようとする。拾い上げた深紅色の果実は血が滴り、彼女はあの生き物に餌を与えたい欲望に包まれる。ドクドク脈打って生きているあの小さな生き物に。

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紅茶キノコに柘榴を入れて2次発酵しました。
日が経つにつれて柘榴の色が紅茶に移り、静謐で少し怖くて魅惑的な色と香りに変化します。


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