Prologue.

Dear みなさま。

こんにちは。Carrotsです。
すっかり秋ですね。わたしの大好きな季節が巡ってきました。

先日MBさんからコーンブレッドを焼いてハイキングに行かれたというメッセージをいただきました。なんだかとてもうれしいものです。きっとI EAT. へ足を運んでくださる方は、(書いている私がそうであるように)食べることに対して人一倍貪欲な方だと信じて疑っておりませんが(笑)この時期同じように季節と食を満喫されている方がいると知ることは、つねづね一方通行になりがちなblogにおいて、大変大きな秋の収穫です。

さて、先月の話になりますが、ジョンミューアトレイルというアメリカカリフォルニア州のシエラネバダ山脈を貫く220マイル(約350キロ)のロングトレイルを歩いてきました。ゼロデイ(まったく歩かない日)も含み、3週間ほど手つかずの大自然の中にお邪魔して、テントを張り、ごはんを食べ、寝袋にくるまって眠りにつき、そして毎日想像を絶するウィルダネスの壮大な景色のなか歩いていました。そこはブラックベアカントリー。一旦トレイルを歩き始めたら、そう簡単には街に下りられませんから、人間も自分たちの食糧をクマなどの動物から守るのに必死です。ハイキングにはベアキャニスターという(クマの手では構造上開けられない)プラスチックの円筒状の入れ物(大きさはクリスマスのケンタッキーチキンが入ったバケツよりも二回りほど大きいかんじ)の携行が義務付けられています。(これがまた重いのなんのん。)
ブラックベア。そう、森のクマさんです!よくトレイルを歩きながら歌ったものです。ある~ひ、もりのなーか、くまさ~んに、であ~った。シャレにならないです。わたしはジョンミューアを歩きたいという夢を随分お預けにしてきました。でもある日、クマが歩かない理由となっちゃいけないって思ったのです。怖い怖いと言っていたら、何事もいつまで経ってもできないもの。今年はまた、バックパックを買いに行った日を境に急速にジョンミューアが目の前に迫ってきて、私はあれよあれよと、インドの飛行機の日付を後ろに倒してアメリカの飛行機に飛び乗り、下でヨイショと支えて持ち上げてくれる人たちの存在をひしひしと感じながら、そこに意志あるようで意志のない、まるで桃太郎の桃のようにただ流れに流され、(ロングトレイルを計画するにはあまりにも早急な1か月程度の準備期間を駆け抜けて)ある日トレイルに立ちました。

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伝えたいと思うことを言葉に変換するには時間がかかります。でも「テッドおじさんのパンケーキ」の回のように、食べものに思い出をのせて書き残していけたらいいなとも思うわけです。(なにせ、ここは食べものの繋がりの場ですもの。)

テッドおじさんのパンケーキは、ジョンミューアトレイルを歩き終わったあとに訪れたトレイルエンジェル宅での一場面を書いたものです。(トレイルエンジェルとはハイカーを無償でサポートする地元の方たちの総称。)歩き終えた私をテッドは何時間もかけて車でピックアップしにやってきてくれました。もちろん、私とテッドは面識などありません。数週間文明と距離を置いていた(シャワーも洗濯も温かい食事も柔らかいベッドもなしの)生活を送り、薄汚れたぬいぐるみのような私にテッドはすべてを与えてくれました。(プラス、湖を見渡す屋外プールと温水ジャグジーのラグジュアリーまで。)私がそこで過ごした日々。それはパンケーキの朝食テーブルから始まり、車で数分のご近所さんの(バケーションで長期間留守にしている)家をいくつか回り、ネコに餌をあげたり、ニワトリの世話をしたり、ハミングバードのシュガーウォーターを取り換えたりしたあと、90歳の一人暮らしのおばあちゃんの家へ行きお喋りをするという午前中の日課があり、それらを終えて家へ戻ると、私とテッドは次にキッチンに並んで、簡単な昼食を作って食べ、午後はリビングルームのソファの右と左にうずもれ、真ん中にクラッカーの箱やキャラメルポップコーンの袋を置いてDVD鑑賞をしたものです。16時になると奥さんが仕事から帰ってきて3人でプールに入り、18時に夕ごはんを食べ、19時からテレビ(無人島で生き残るゲームや料理対決の番組)を観て21時に寝ました。ほのぼのとした毎日。

ロングトレイルを歩ききったことは人生における大きな達成には違いないけれど、それよりもそんな毎日の日々のささいな出来事のほうがむしろ宝もののように心に残っています。
私は時折回想して、自分宛にポストカードを書くようにそれを綴っていこうと思います。

それではまた!

Talk to you soon,
Carrots.


5 thoughts on “Prologue.

  1. ひゃ〜〜!!綺麗〜!!
    先月、私に会うまでの1600㌔を見ました!
    正にその世界が広がっている写真ですね〜!
    映画を見て私もいつかこの目で見てみたい!!と思いましたが、身近に(←勝手に親近感(笑))行かれた方のリアルな言葉で綴られた文章を読むと私にもできるかも?!と夢と目標になりました!書いて下さりありがとうございます♡!
    私はまだ引き続きその日に向けてコツコツトレーニングです(^^)

  2. >エリィさん
    こんにちは!「私に会うまでの1600キロ」は私も原作を読み、また試写会にも招待してもらって出発前に観ました!!
    主人公のシェリルはものすごく大きな荷物を背負っていましたね。私は持ち物を削いで削いでできる限りミニマムにするように努力しました。
    そうじゃないと重くて峠越えできないっ!!笑

  3. 初めてコメントをさせていただきます♪ が、実はこっそりと随分前から楽しませて頂いていました。美味しいものやきれいな写真、真っ直ぐな文章に惹かれて、こっそりと。
    でもでも!このアドベンチャーのお話を読んで黙っていられなくなってしまって。このトレッキングは1人で全部計画されたのでしょうか?それとも小グループに参加されたのですか? お友達かパートナーさんとでしょうか。やっぱり1人では危ないのかな。1ヶ月でこれだけ準備して飛び込んで行っちゃうなんて… 素晴らしい。もし、もし、お時間があって差支えがなければ、トレールに行き着くまでの計画の様子などを聞かせてもらえないでしょうか。図々しくてごめんなさい。
    続きのお話も楽しみにしています☆

  4. > papricaさん
    はじめまして!コメントどうもありがとうございます。
    はい、ジョンミューアトレイルへは一人で行きました!三鷹のhiker’s depotいうウルトラライトギア専門店でちょうどジョンミューアトレイルを実際に歩いた方のお話しを聞く機会があり、そこから店員さんにだいぶお世話になり、とても実用的なアドバイス(持ち物やパッキングや現地の食料補給など)をたくさんいただきました。一人では怖くて出発前に血眼になってアメリカの知人をたどり一緒に歩いてくれるハイカーを探しましたが全然見つからず結局一人で行きましたが、トレイル上で出会ったハイカーたちと同じキャンプ地を目指して歩くことが多かったです。女性一人で歩くとなるといろいろ怖いですし心配なのですが、レンジャーもいますし許可証を取得しないと歩けない場所なので、日本の山を一人で歩いてテントを張るよりは安全な気がしまいた。山道も日本だと薄暗くて一人だと心細いことがほとんどですが、JMTは(特に前半エリアは)湖がたくさん出てきて一人でも歩いていて本当に気持ちが良かったです。papricaさんも海外のトレイルにご興味ありますか?

  5. 丁寧なお返事、ありがとうございます!嬉しいです。きゃぁ〜っ!!!1人で?! す。ご。い。アドベンチャーっ!恐れ入りました。1人であの距離を歩いたなんて… 普段の生活では見えない自分の存在というものが浮き上がってきそうです。
    私はカナダ在住で、近くにある簡単なトレールを歩くのは大好きなんです。私事ですが、相方は年が離れていて若い頃にヨセミテなんかもずいぶん歩いたことがあり、今は呼吸器系の障害でヘビーなハイクができないんです。なので、長距離ハイクになると私一人だなぁ、と。それで少し詳しいことを聞いてみたくなりました。
    自然の中を歩くの、大好きです♪ またお話を聞かせてくださいね!

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